比良・明王谷から奥の深谷 沢登り

入渓  先週に引き続き比良山系明王谷の本流と目される奥の深谷へ行ってきました。
 比良山系の沢の中でも、流域面積が広く水量も多いことで知られている沢です。
 明王谷には三つの支流が在ります。武奈ヶ岳へ突き上げている口の深谷、八雲ヶ原へ突き上げている奥の深谷、琵琶湖バレースキー場へ突き上げている白滝谷です。
 長さでは一番長い奥の深谷ですが、沢登りの対象となると口の深谷より短かいが、滝の数は、別名十九の滝と呼ばれている様に多い。
 日本百名谷にも選ばれていることの影響か、人気の高い沢である。

二の滝  稲美町を午前6時に出発、三木小野ICから名神・京都東ICで湖西道路を経て花折トンネルを抜け、安曇川沿いに北上。坊村から明王谷林道の広場に到着。
 いなみ山の会としては奥美濃斧内谷に続き2回目の沢登りです。
 今回も、牛コバまでの林道が施錠により通行できないので、明王谷を詰めることにする。
 明王谷も水量は少なめ、駐車地点から入渓、我々以外にも3パーティが準備中、暑い時期で沢登りをするには打って付けの季節。さすがに人気の沢です。
 沢にはいるとヒンヤリする。一の滝を過ぎ堰堤に突き当たる。以前は、高巻きして越えたのだが、今は梯子が掛けてあり簡単に越える。
 二の滝も右岩壁を登る。三の滝は見学だけで東屋から林道へ上がり奥の深谷出合いへ急ぐ。
 朝が早いせいか日差しも爽やかで林道歩きも捗る。

4段40m  出合いに着くと沢山の登山者が沢登りの準備中、脇をすり抜け先行する。
 出合いから暫くは日影のゴーロが続くが、暫くで最初のゴルジュに掛かる滝の水際を登ると、4段40mの滝に出る。
 朝日が降り注ぎ水しぶきがキラキラと美しい。すでに2パーティが取り付いている。
 1段目を登り2段目の左を船原さんと西川さんが登りだした。
 下で見ていたが出口が逆層で悪く、滑りそうな滝の様です。役目柄ザイルの確保が必要と判断し、左岸を上り2段目の落ち口へ回り込み、ザイルの準備をする。
 ビレイに適した立木も無く、肩絡みで確保体制を取る。
 船原さんは諦めて高巻きを選択したが、西川さんが出口付近で停滞している。
 ザイルを降ろしハーネスに連結してもらい、確保体制でOKを出す。
 登り始めたが2度スリップ、後は自力で登り切った。

シャワーを浴びて滝を登る  更にゴルジュは続いているが、各々自分の実力に応じて滝登りを楽しんでいる。
 釜のある滝では泳いだり、狭い滝は突っ張りで登ったり、時間の経つのを忘れて楽しむ。
 他のパーティも力量に応じて、高巻いたり直登に拘ったり、それぞれ楽しんでいるようだ。
 連瀑帯で一箇所乗越しが悪いところがあった。古いハーケンにシュリンゲが掛かっているだけ、抜け口はツルツルのスラブ。慎重に抜けるが、足場の悪いところで後続の確保が難しい。全員お助けで切り抜けた。

 そろそろお腹も空いてきた頃、日当たりの良い場所でお昼にする。
 お腹もふくれ、身体も乾いたので出発。大きな滝はないが、小滝が続く。

シャワーを浴びて  暫くすると大勢の人が休んでいる所を通る。
 まさか沢登りの終了点とは思わず、更に遡行を続けた。いくら行っても滝は無く平流ばかり。
 オマケに何でもない平たい岩の上で滑って肘を擦りむく、油断大敵とは将にこのこと。
 沢の終了点には丸太の橋が架かり、それと直ぐに判る所、間違う訳けは無いと思いこみ、遡行を続ける。
 暫く行くと、左側に小屋が現れ、丸太の橋が架かっている。
 しまった、当初の終了地点を行き過ぎて、南比良峠へ登る大橋小屋の徒渉点まで来てしまったのだ。

 ここで沢登りを打ち切り、運動靴に履き替える。
 重くなったザックを担ぎ、右岸の登山道を下ると、暫くで、予定の終了点に着いた。そこには丸木橋は無く、代わりに案内板が設置してあった。

シャワーを浴びて  大雨で橋が流されたのだろう、沢の脇に大きな丸太が置いてあった、それで判らなかったのでした。
 牛コバまで登山道を下り、林道で坊村まで戻ってきた。
 朝とは違い車がいっぱい。最後の夏休みを涼しい沢遊びで過ごそうと多くの人たちが来ているのでした。
 渋滞には巻き込まれましたが、計画どうり稲美町へ帰着解散。

 今シーズンは、まだまだ暑さが続くようです。
 もう一度位は沢登りが出来そうです、何処へ行きましょうかね。

 山行期間:2010年8月29日

  コースタイム

第1日目(29日):晴れ 06:00稲美町→三木小野IC→京都東IC→湖西道→途中→坊村8:02→入渓8:40→三の滝9:25→奥の深谷出合10:00→遡行→大橋小屋→坊村15:00→湖西道→京都東IC→三木小野IC→稲美町19:00

参加者
  CL雲水(記録)・澤井・船原・西川・大西真 計5名